イクスが開発した有人型の無明領域探査用ヴェス。
無明領域内で発生する精神侵食に影響に対抗するための「LIM」システムを搭載している。
探査活動用に特化した機体であり、戦闘能力は探査行動において障害とな対イマシメ戦闘に絞られている。

LIMの中核部品となっているリンカーが人としての意識を維持する必要がある事から、LIMに肉体感覚を与えるために人型の形態をしている。
それと同時に、機械との接合によるLIMの負担軽減のため、休眠およびパイロットとの共信に集中できるコクーンモードと、移動用のヴェスモードの2形態への変形機能を持つ。

各マヴェスの名称は紋章学のティンクチャーから取られており、アージェントは銀、セーヴルは黒、ギュールズは赤を意味する。

元は無明領域探査用ヴェス「シロガネ」だったが、LIMの実験のための度重なる改修で、結果としてマヴェスの原型機となった。
試験型Cペネトレーター(後に改良型に換装)とAディスチャージャーを標準装備。
LIMとして鷲沼アオシを搭載する。

LIMと共信可能なパイロットがいなかったため、イクス関連施設の地下に保管されていたが、それがいつからか無明領域での犠牲者の霊を身に集めているヴェスが封印されているという都市伝説となり、死神という仇名を付けられていた。

セーブル(Sable)

LIMを搭載するために設計された、事実上のマヴェス1号機。
駆動系の信頼性、反応速度が向上しているため、近接戦闘主体の装備が与えられている。特徴的なのは背面の瞬発型ブースターと、各所に計6基装備されている鎌状の展開式ブレードである。ブレードは高圧電流を帯びている他、状況によって可変する高周波振動により、屍鋼を”掻き切る”性能を有している。
だが、現行のパイロットである弓月マアムがその性能を引き出せる操縦能力を有しているとは言い難い。
LIMとして破先エミルを搭載。

ギュールズ(Gules)

本来の用途である無明領域内部の探査用に、センサー系が増強されている。センサー系の強度の問題から、とりわけ機体の損傷が推奨されておらず、後方支援用となっている。そのためDタリスマンを始めとした対イマシメ動作阻害型の装備が搭載されている。LIMとして出羽ササメを搭載。

Dタリスマン
ギュールズに試験的に搭載された対イマシメ用特殊装備。
高性能のCPUと高圧バッテリーから成り、放電に接触したイマシメの行動を阻害し、また部分的な自壊を促す。残留思念等の思考に影響を受ける屍鋼の特質を逆手に取った武器であり、対象のイマシメに接触すると、放電と共に内蔵されたプロセッサにより毎秒数万~数十万回の単純な「自壊しろ」「停止しろ」等の”思考”を送り込む事で、屍鋼に実際の効果が現れるというものである。しかし、イマシメを形作っている残留思念の影響力に比べるとその効果は微々たるものであり、またバッテリーの電力が尽きるまでのごく短時間しか効果は持続しない。

イクス社が開発、販売しヒット商品となった汎用多腕重機のシリーズ名。
多腕重機全般を指す一般名詞ともなっている。走行用の車輪がついた2脚と補助1脚からなる3脚型が特徴。

調査隊候補生チーム「ガルグイユ」に配備されている、無明領域侵入調査に向けての訓練用として改造を受けたヴェス。
対イマシメ戦闘装備のテストプラットフォームでもあり、各種装備が試験的に装備されている。