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無明領域内、及び其の影響下に於いて、未知の力場現象により生物、無生物を問わずその構成物質が変成し生成される金属結晶様の物質。
採取された標本に接触した生物の構成物質もまた同様の金属結晶に変性する例が確認されており、何らかの経路による感染力があるものと思われる。
無明領域の番人という異名を持つ、謎の大型活動体。
他に観測されるイマシメ個体群より複雑な形態を持ち、目撃例も僅かである。
また、目撃時に、ムクロが発生源と思われる「唄」を耳にしてしまった者は、九日以内に死ぬ運命であると噂されている。
10年前に東京に出現した直径数十kmの黑色の空間。
出現理由、科学的法則については全く不明。
その内部では、あらゆる物質は生物、非生物の別を問わず、黑い金属結晶体「屍鋼」と化す。
また無明領域の影響下では、強度の幻覚、意識の混濁や記憶の混乱の症状が現れ、最終的には自我の喪失に至るとされる。

発生初期における無明領域の拡大速度自体は比較的緩やかであり、避難対応が可能であった事から、当時の東京での在人口に比して人的被害は少なかった。

しかし行方不明者50万人超、東京都近隣県からの避難を含む最終的な総被災人数においては4000万人を超え、首都機能を破壊された日本国は政治及び経済活動に甚大な被害を受ける事となった。
これにより日本は現在経済的先進国の立場を失っている。

日本および世界各国各機関により幾度もの侵入調査が行われるも、其の毎に人的被害を出してしまう結果となり、特殊改造されたヴェスによる第6次調査を最後に、現在さらなる侵入調査は行われていない。

――現在、目に見える無明領域外縁から更に数キロの緩衝地帯を経て、厳重に立ち入りは禁止されている。
第零種特殊災害認定地域。
無明領域の近辺等で稀に出現する、謎の活動体。
形状、大きさは様々で、全体が屍鋼で出来ているという。
無明領域出現時の犠牲者たちの怨念が生んでいるという説があるが、真相は定かではない。
目撃される範囲が徐々に広がっており、無明領域の影響範囲の拡大の可能性が示唆されている。
川田原市九字町に本部を構える合同企業体。
無明領域災害により深刻な打撃を受けた日本の産業と経済の復興を主目的に、多数の企業が参画した連結大型企業。
製造業を主に、その事業内容は多岐に及ぶ。
無明領域災害からの大量の避難者を受け入れるために作られた団地群を要する地方都市。
最近では無明領域の拡大の不安から、より遠くへの避難が進み、過疎化の傾向にある。
イクスの本社及び主要部門社屋や研究施設等が存在し、産業の多くをイクス関連が占めている、いわゆる企業城下町。
企業体イクスが直営する中高一貫教育学校。
当初は避難団地群の大量の人口増加による生徒を受け入れるための学園だったが、今では無明領域災害により打撃を受けた日本の経済復興のための人材育成を主眼として運営されており、各種重機の操縦者、科学者、技術者等の育成科目が充実している。
無明領域への新規侵入探査隊の結成のためにイクス開発部主導で新設されたスタッフ育成プログラムとその参加者。
その内、パイロット育成コースは無明領域への調査のために作られた特殊型ヴェスの操縦訓練及び、無明領域内での各種調査活動についての各種学習カリキュラムからなる。
パイロット候補者第一期生は「ガルグイユ」のチームコードで呼ばれる。
精神感応力者の一種。特徴として無明領域/屍鋼の影響下において後天的に能力が獲得され発現したもの。リンカー同士での言語を介さない意思の疎通と、特に感情面での共有能力に優れるが、反面リンカーでない人間、生物との感応はあまり行われない。
夏入はその能力の存在を研究の中で予見しており、リンカーと命名していた。
後に読島出身者のリンカーである真木ミメイと夏入の間に接触が持たれ、読島において研究が飛躍的に進んだとされる。
有人型無明領域探査用であるマヴェスの最重要システム。
搭乗者とマヴェスの機体全体を無明領域の影響による精神侵蝕と屍鋼化から防護する。

中核部品として、
  • 屍鋼化が一定以上まで進行したリンカーを内蔵している。
    現状の段階では搭乗者もリンカーであり、共信率が一定以上な場合でなければ、その性能が充分に発揮されない。

    共信率とは、LIM素材となったリンカーと搭乗者がどの程度の相互理解や共通認識を持ち、相手を受け入れているかを示すもので、これが高いほど無明領域内での精神侵食と屍鋼化に対し高い抵抗力を得る。

    無明領域からの影響への抵抗力の獲得方法については不明な所も多いが、特殊な自我の強化法の例であるという。
    搭乗者とLIM内のリンカーはその感応力で精神的を確立し、意識及び無意識化での対話状態となる。それにより操縦者とLIMは自己を再認識し続け、自我を補強するものとされる。
    この際、LIMの身体として認識されているマヴェス全体も侵蝕への抵抗力を獲得する。

    リンカーの肉体は、屍鋼が電気的に鋭敏という特性を利用し、屍鋼化した部分を介してマヴェス本体の制御系と電子的に接続されている。またこの時、それ以上の屍鋼化の進行を抑制するため、LIMが自分が人間であるという認識を失わないよう、人間の肉体感覚を与える必要があり、マヴェスの活動形態に人型が必要とされた。

    副次的な機能として、LIMが搭乗者の操縦意志を直接読み取り機体の動作系に反映させることで機体の操縦性と反応速度が向上している。
    また、共信率が一定値を上回った場合、LIMが搭乗者の思考をダイレクトに駆動系に伝達することが可能になり、搭乗者は機体を思考するがままに動作させる事ができる状態が発生し得る。
    この時、パイロットは機体が自らの身体として動くように感じるという。
  • 無明領域災害時、発生から一定期間が経過し、既に内部の生存者は絶望的であると判断された後に内部から脱出してきた8人の自力生還者、すなわち鷲沼アカシ、出羽ササメ、真木ミナシ、破先エミル、波戸イワト、霞ライカ、弓月マアム、伊削ヘイトに当時のマスメディアがつけた呼称。
    無明領域内に自生する白い樹木。
    特徴として、白~橙色の燐光を放ち、常に2本の幹が螺旋状に絡まった状態で1本の樹の形態を成している。
    この樹(枝、実、葉等)の近くにいる生物は、無明領域が生命体に生き起こす精神侵食に対し抵抗を得る。
    これは、この樹が獲得した無明領域の影響への耐性の効果が周囲に及ぶからであるが、いかなる経路によってこの効果が発揮されているのかは解明されていない。

    日光が届かない無明領域内にあり、かつ葉緑素を持たず光合成をしないため、どこから栄養を得ているのかは不明だが、無明領域外では一定時間で枯死することから、無明領域内のなんらかの現象をエネルギーに変換としているものと思われる。
    日本本州近海に存在する小島。
    かつては住人がおり、わずかに本州との往来があったとされるが、公式には長らく未発見であった。これには、読島住人の持つ能力と無明石の性質が影響していると思われる。
    全ての島民がリンカーであり、その能力故の閉鎖的な社会を構築していた。
    後天的に獲得するはずのリンカー能力を住人全てが持っていたのは、島に長らく安置されていた無明石の影響下に有った為と思われる。
    10数年前、イクスの前身機関のひとつであるイクス能力開発社と接触を持ったことを切欠に、住民は夏入率いる研究チームの実験台として扱われた。
    読島の住人が「無明石様」と祀り、蔵匿していた由来不明の鉱石。
  • 屍鋼のオリジナル体と思われるが、詳細は不明。
    読島イクス能力開発社が制圧した際にも島民によって隠されており、イクス社はその存在を知らずにいたため発見に至らなかった。
  • 読島住人が蔵匿していた呪物器。
    無明石を内部に納めることで、無名石に意識と体を与え、を生成した。
    それ以上の詳細は不明。
    無明領域災害で連結企業体となった際、発起企業となった旧イクス重工業の下部会社。
    主としてインターフェースや人工知能の研究、開発などを行っていたとされるが、詳細は不明。